2012年9月13日木曜日

これはうまい

西郷隆盛が肥満改善のため、弟の従道のところで療養していた頃の話。

ある朝、従道が朝食を食べると味噌汁に味噌が入っておらず、白湯のままでした。すぐさま給仕を呼びつけて、「なんだ、この味噌汁は。味噌が入っていなくて、白湯のままじゃないか!」と注意をします。

ふと、先に登庁した兄・隆盛のことが頭をよぎった従道、「兄はこの味噌汁を食べて何も言わなかったのか?」と聞きます。

すると給仕、「はい。隆盛様は、『これはうまい』と言って出かけられました」と答えます。

「あぁ、兄には敵わん。俺もまだまだだ」と従道はつぶやいたとのこと。



抜粋:
致知2012年10月号
致知随想「西郷隆盛とともに歩む」安川あかね

0 件のコメント:

コメントを投稿