2013年3月11日月曜日

「行者帰りの精神」とは?



行者の世界には「行者帰りの精神」というのがあるそうだが…。

昔、修験道を開いた役行者(えんのぎょうじゃ)という人が、行の途中で「このまま進んだら自分の命が危ない」と判断して引き返してきたという難所がある。

「なんだ、行者らしくないじゃないか。命惜しさに引き返すなんて」

そう思うのは勝手であるが、行の一番の目的は「生きて行を終え、人生を深めること」。ゆえに、あえて役行者は引き返した。



その後日譚はといえば、役行者は2回目にその難所を克服している。

「無理はしないけれども、絶対に諦めない」

そんな精神が、「行者帰りの精神」なのだという。






出典:致知2013年4月号
「極限を通して見えてきたもの 塩沼亮潤」

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