2013年11月18日月曜日

蜂子皇子の覚えた一節「能除一切苦」



話:坂本大三郎




羽黒山伏の始祖・能除太子(蜂子皇子)は、聖徳太子のいとこであり、暗殺を恐れて戦いのあった都を逃れ、海の彼方から羽黒山(山形)へとたどり着いたという伝説をもっています。

彼は無知で、『般若心経』を覚えることができませんでしたが、「能除一切苦(のうじょいっさいく)」の一節だけを覚えて、それを繰り返し唱えることで人々を救ったと云われます。

「悪面かぎりなく、身の色黒く、とても人間のようには見えない」という異様な人物として伝わっています。




引用:坂本大三郎『山伏と僕


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