2013年11月2日土曜日

スキー写真集 10選 +α



黒いシュプール1965年

故・三浦敬三の写真集。息子・雄一郎を被写体に、山々を滑走した記録

——「大自然をすべる」というフリースキーの原点を写しとる。この写真集が刊行された1965年といえば、スキーが大衆化する前夜。海外旅行も珍しかった時代である。そんな時代に国内はもとより、海外にまで滑走の地を求めて旅をし、それを写真に収めたこの写真集は、まさに滑走を愛するフリースキーヤーが作った写真集なのである(沼尻賢治)。

——なんてったって俺たちの大先輩は、101歳までスキーをすべり続けた”あの三浦敬三”なのだから。「死ぬまで遊び続けるのが俺たちのやり方さ」と聞こえたような気がする(宮下岳夫)。



『SUPR(シュプール)』
渡辺正和 1997

 

立山を舞台に、当時のスターであったアルペン・レーサー「海和俊宏」や、デモンストレーターたちとの数多くのセッション。

——アルベルト・トンバをはじめとするW杯シーンの写真も掲載され、80年代から90年代にかける”日本のスキーブームの沸点”を記録した写真集。まさに時代の映し絵といえる(沼尻賢治)。



『Bernd Greber / A Legendary Snowman』
大下桃子 2002

 

ベルント・グレーバー(雪崩事故で亡くなったオーストリアのスキーヤー)に捧げられた一冊。

——新しい写真集の幕開け。これが2000年代の写真集のターニング・ポイントだったと捉えると、以降、写真集はライフスタイル・カルチャーなど、さまざまな方向へ表現の幅を広げてゆく。



『NISEKO POWDER』
渡辺洋一 2006



——有名無名にとらわれず、ローカルの滑走者を撮影。ニセコ(北海道)の魅力の本質を見つめた写真集として秀逸。映像作品『ruwe』シリーズでも同シーンを収録。



『Last Snow』
木下健二 2007



——日本のトップ・デモンストレーターたちがNZ(ニュージーランド)のオフピステを滑る。映像作品『4ce cut the wind』と同時に撮影された(沼尻賢治)。





『雪山を滑る人』
渡辺洋一 2009



——渡辺自身、スキーヤーとしてニセコに居を定め、スキー・スノーボードという道具の境をなしに、雪質・斜面・地形に共感をよせる人々と多くのセッションを繰り広げた。その舞台は、南北アメリカ大陸・ヨーロッパ、そしてスカンジナビアと世界中へ広がっていく。共感できる滑走者たちと世界中にシュプールをえがく(沼尻賢治)。



『cold frame』
樋貝吉郎 2009



——スノーボーダー・スキーヤーの生活を写した写真集として新境地を切り拓いた一冊。滑走以外のカルチャー全般をとらえようとした試みは新鮮であった(沼尻賢治)。



『THE FIRST TRACK』
玉井太朗を巡る10人のカメラマン 2011

——ひとりのスノーボーダーのライフスタイルに共感し、企業がスポンサーとなって制作された前例のない写真集。10人のカメラマンが競演する豪華本(沼尻賢治)。



『PEAK MOMENTS』
山田博行 2011


——iPadのプラットフォームを活用した革新的なデジタル出版(iPad用アプリとして購入可能)。一度購入すると随時バージョンが更新される(沼尻賢治)。



『LEBANON』
児玉毅・佐藤圭 2012



——すべり手と写真家が、まるでロード・ムービーでも撮るように制作。中東レバノンという旅先もユニークだが、雑誌のような編集スタイルも魅力的だ(沼尻賢治)。








ソース:『POWDER SKI 』2014 WINTER


0 件のコメント:

コメントを投稿