2015年4月19日日曜日

自分の給料を社員に。アメリカの大胆社長



もし、いきなり年収が2倍になったら?

そんなアメリカン・ドリームが起こった会社がある。まさにアメリカで。



シアトルの決済代行会社
「グラビティ・ペイメント社(gravity payments)」

社長が、自らの給料である100万ドル(約1億2,000万円)を7万ドル(約840万円)にまで大幅に減らして、社員の給料を最高で倍増させた。



その社長(CEO)の名は

ダン・プライス(Dan Price)、30歳

彼の英断によって、70人の社員の給料が上昇、そのうち30人は年収が2倍になった。



ダンCEOは言う。

「現在の所得格差は、世界恐慌時代をはるかに超えるレベルです。ずっと何かしたい問題だったのですが、『これ以上何もせずにはいられない、今こそ行動を起こす時だ』と感じたのです」

ダンはある日、一緒にハイキングに出かけた友人が「家賃が上がって大変なんだ」と言うのを耳にして、ついに行動に踏み切ったのだという。






幸せになるための理想的な年収の最高額は

7万5,000ドル(約900万円)

だとプリンストン大学は言う(2010)。この年収は「自分が成功したと思える額」でもある(アメリカ人の28%がそう回答)。

今回の大胆な改革によって、グラビティ・ペイメント社の最低年収は7万ドル(約840万円)となっている(ちなみに社長ダンは最低年収)。つまり統計上は、”幸せ”もしくは”成功”を感じられる額になっている。






幸福な社員とは裏腹に、ダンCEOは年収が1億円も下がってしまったわけだが、大丈夫なのだろうか?

ダンは言う。

「犠牲にしなければならないこともあるでしょう。でも、会社の利益が戻れば、私の年収も元の金額に戻る予定なので、仕事をするモチベーションが上がりますよ」

彼の愛車は12年間乗っているアウディ。走行距離は14万マイル(約22万5,000km)を超えているが、まだまだ走れるという。

「新しい年収でも、1ヵ月に一度は友だちに酒をおごれるよ」

ワシントン・ポスト紙によると、アメリカのCEOの平均年収は、平均的な労働者の350倍以上だという。つまり、ダンのような清廉なるCEOはまずいないということだ。






それでもダンはビジネスマンだ。

社員の増給は慈善事業ではない。それを「投資だ」と彼は言う。

「これは社会問題を投資で解決しようとするものなんだ。昇給によって社員にやる気が生まれる。それが新しいビジネスチャンスを生み出したり、顧客サービスの向上につながっていくん。投資した分は必ず元をとれると思っているよ」













(了)






ソース
The Huffington Post「社員の最低年収を830万円に、自らの年収は1億円けずる。30歳CEOの大胆改革」



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