2015年4月20日月曜日

アラブ世界のスマートフォン [UAE]



アラブ世界での
スマートフォンの普及率を知っているだろうか?

アラブ首長国連邦 73.8%(世界1位)
サウジアラビア 72.8%(世界3位)






UAE(アラブ首長国連邦)で最も利用されている端末は「iPhone」。

山脇智志「感覚的に、iPhoneとそれ以外のスマホの割合は1対1程度だった」

スマートフォン以外の端末を含めると、ノキアが40%、サムスンが24.3%、アップルが11.4%。

山脇智志「ドバイ滞在中に、街中や電車であたりを見渡してみると、東京ほどではないにしても、スマホを操作している人は多く見られた。スマホの高い普及率もさることながら、人工都市であるドバイの治安の良さも、この現象の裏にはあるだろう」






なぜ、アラブ世界ではそれほどスマホが普及しているのか?

山脇智志「UAE(アラブ首長国連邦)は、政府のあらゆるサービスをモバイルアプリで提供する『mGovernment』イニシアチブを進めている。同国首相は『全国民が行政手続きを携帯電話やスマート・デバイスでできるようにと発言しており、モバイル政府化への意識の高さがうかがえる」

事件発生や苦情を国民が政府に直接報告するアプリ
電気水道などの料金をオンラインで支払うアプリ
病院の場所、健康情報などを提供するアプリ
過去の裁判の判例や訴訟手続、弁護士の検索などができるアプリ







教育においてもデジタル化(eラーニング)が進んでいる。

ドバイの王子がトップを務める大学
ハムダン・ビン・ムハンマド・スマート大学
(この長い名称は王子の名前だ)

ここはアラブ世界における「初のスマート大学」である。仮想教室(Virtual Classroom)や電子図書館など、仮想の学習環境が整備されている。

山脇智志「イスラム教国家の多くで『女性に対する教育の不足』が問題になっている。従来型の教育システムに加えて、スマホなどを活用したオルタナティブな教育システムが整備されることで、女性に対する新たな教育機会の創出を実現することができる可能性が大いにある」






問題は、まだ自国でエンジニアなどを育成できていないこと。

山脇智志「技術のほとんどを欧米などからの輸入に頼っている」

とはいえ、イスラムの時代といわれている21世紀。アラブの動きは一部で、世界に先駆けつつある。これまでの天然資源に依存してきた経済から「知識経済」への転換をはかろうとしている。






ソース:MacFan 2015年 05月号 [雑誌]
山脇智志「アラブ世界におけるイノベーションを考える」



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